人智を越えた馬

おたべです。

古くはオグリキャップ、今はオジュウチョウサン
故障した馬を思い出すのも哀しくなるけど、
ヤマトダマシイサイレンススズカとかですかね。

私は完全にギャンブル面から入ったからか、
元々の性質から感動する能力に
欠けているのかは分かりませんが、
何せレースを見てもめったに感動することがありません。

ただ、もしかしたらその本当の理由は一番最初に
スペシャルを見てしまったからかも知れません。

私が一番最初に競馬場に行ったのは、
1990年の12月23日の中山競馬でした。
パチンコ、麻雀、etc.と
完全にギャンブルの申し子(依存症)路線を
突っ走っていたおたべ青年の
ターゲットは当然競馬にも向いて行ったのです。


昔から結果には完全に理屈が伴わないと納得が
いかないという、ろくでもない気性を持った
おたべ青年は、一週間くらい検討した結果、
本命をメジロアルダンという馬に決めていました。

足元に不安を抱える馬でしたが、名門メジロ牧場
輩出した素質馬(らしい)で、元々ダービー2着の
実績がありながら、色々頓挫はありましたが、
前走の天皇賞秋ではヤエノムテキのアタマ差2着と
好走し、距離適性がビタリと来る今回は、
素人ながらにも遂に必勝の時が
訪れたのではと思っていたのです
(多分どっかの記事にかいてあった)。。

何せ相手はピークを完全に越えたオグリキャップ
中山向きとは思えないホワイトストーン、
鞍上(横山典)が不安のメジロライアン
(新聞の受け売り。。)

こちらはベテランの河内騎乗でもあり、
まず普通に回ってくれば勝ち負けだろうと謎の自信を
持ち、単勝13か16万円(忘れましたけど先月バイト代だったと思います。)を握りしめ、(この頃からバカですね)、
まだかまだかと物凄い人の渦の中で
スタートを待ち構えていたのです。

ファンファーレと地響きに近いような歓声の後、
スタートが切られました。

私の本命メジロアルダンはスタート後、
早くも二番手につけ、磐石の構え。
レースが淡々と流れていくのを
全身を震わせながら見ていました。

4コーナーを向かえる所で
押しながら先頭に立ちましたが、
大外から猛然と上がってくる白い馬。
あんまり馬の毛色なんて当時はわかってませんから、
なんだっけこれと思いつつ、新聞に目をやると、
なんとオグリキャップ

嘘でしょ、まじかよーと思いながら見ていましたが、
その後も白い馬の脚色は衰えることなく、
アルダンは沈むばかりで、
あの有名な奇跡の勝利の瞬間を
色のない景色として
呆然と眺めていたおたべ青年だったのでした。

帰りは全財産を失ったかのような
喪失感と神の見えざる手って存在するんだな、
持ってる人間(馬)は確実に存在するんだという
ふざけんじゃねえよって感じの
虚脱感を感じながら、おけら街道をとぼとぼ
ふらふらしながらもなんとか駅までたどり着き
家へ帰ったのを覚えています。

顔面蒼白の息子を見て親は心配したでしょうね。。。

その日から数日間はボーッとした日が続きました。
受験もうまく行かず、
人生を色々と諦めかけていた時(早い)に
起こった事なので忘れられませんし、
忘れることはないでしょうね。


今回、何を書きたかったかと言えば、
オジュウチョウサンという人智を越えた存在に
なるであろう(なりつつある)神馬に対し、
単調な生活を繰り返しているだけの
冴えないギャンブラーのみなさんに、
この馬を応援する側の立場で関わる事で、
少しでも希望を得られる側に回ってもらえれば
という願いが沸々と沸いて来たので、
だらーんと書いてみました。

大局には逆らってはいけない。
波には乗った方が良い。

そんじゃあまた。
はぁ~